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技術基準と物件検査

1.新築住宅の技術基準


フラット35をご利用いただくためには、対象住宅について、公庫が定める独自の技術基準に適合していることを証明する適合証明書の交付を受けることが必要となります。

この適合証明書は、検査機関または公庫住宅調査技術者(中古住宅のみ)へ物件検査の申請を行い、合格すると交付されます。

※新築住宅の場合、物件検査に併せて建築基準法に基づく検査済証が交付されていることを確認しています。

下記参照分
※1. 一戸建て等には、連続建て及び重ね建てを含みます。
※2. 住宅の規模とは、住宅部分の床面積をいい、車庫やバルコニー等は含みません。
※3. 木造の住宅とは、耐火構造の住宅及び準耐火構造(※4)の住宅以外の住宅をいいます。
※4. 準耐火構造には、省令準耐火構造を含みます。



基準項目と概要
接道
●一戸建て等(※1)と共同住宅(マンション等) 共通 : 原則として一般の道に2m以上の接道。

住宅の規模(※2)
●一戸建て等(※1)の場合
70m²以上、地下室、車庫、別棟の物置、バルコニーの床面積を除く。

●店舗付き住宅などの併用住宅の場合は、住宅部分の床面積が非住宅部分(店舗等)の床面積以上とします。

●共同住宅の場合(マンション等)
30m²以上、バルコニー及び共用部分の床面積を除く。

●一戸建て等(※1)と共同住宅(マンション等) 共通 
原則として2以上の居住室(家具等で仕切れる場合でも可)、炊事室、便所、浴室があり独立した生活ができるものとします。

併用住宅の床面積
●一戸建て等(※1)と共同住宅(マンション等) 共通 
併用住宅の住宅部分の床面積は全体の2分の1以上。

戸建型式等
●一戸建て等(※1)の場合
・木造の住宅(耐火構造の住宅及び準耐火構造の住宅以外の住宅をいいます。)は、一戸建て又は連続建てとします。

・耐火構造の住宅内の専用階段は、耐火構造以外の構造とすることができます。

断熱構造
●一戸建て等(※1)と共同住宅(マンション等) 共通 : 住宅の外壁、天井又は屋根、床下などに所定の厚さ以上の断熱材を施工(S55年省エネ告示レベル)。

住宅の耐久性
●一戸建て等(※1)の場合 
【1】外壁に接する土台が木造の住宅
次のすべてに適合するものとします。
①土台の防腐・防蟻措置は、次のいずれかとします。
『ア』 ひのき、ひば、べいひば、べいひ、けやき、べいすぎ、くり、台湾ひのき、こうやまき、さわら、ねずこ、いちい、かや又はウェスタンレッドシーダーによる製材、もしくは、これらの樹種を使用した集成材を用います。

『イ』構造用製材のJASに規定する保存処理性能区分K3相当以上の防腐・防蟻処理材(北海道・青森県はK2相当以上の防腐処理材)を用います。

(注)集成材等:化粧ばり構造用集成柱、構造用集成材、構造用単板積層材(LVL)又は枠組壁工法構造用たて継ぎ材。

②土台に接する外壁の下端には水切りを設けます。

【2】換気設備の設置
炊事室、浴室及び便所には、機械換気設備又は換気のできる窓を設けます。
【3】住宅の構造
住宅は次のいずれかに該当するものとします。
①主要構造部を耐火構造とした住宅であること。

②準耐火構造の住宅であること(省令準耐火構造の住宅を含みます)。

③耐久性基準に適合する住宅であること(住宅性能表示の劣化対策等級2レベルの内容です)。

※耐久性基準は、工法別(在来木造、枠組壁工法、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、丸太組構法、補強コンクリートブロック造)になっています。

配管設備の点検
●一戸建て等(※1)の場合
共同住宅以外(一戸建て等)の場合、炊事室に設置される給排水の配管等は、点検口等から点検できるものとします。

●共同住宅の場合(マンション等)
共用配管を構造耐力上主要な壁の内部に設置しないこと。

区画
●一戸建て等(※1)と共同住宅(マンション等) 共通
住宅相互間等を1時間準耐火構造等の界床・界壁で区画。

床の遮音構造
●共同住宅の場合(マンション等)
住宅の居住室の上にある床は、鉄筋コンクリート造で厚さ15㎝以上又はこれと同等以上の遮音上有効な構造とします。

管理規約(共同住宅の場合のみ適用)
共同住宅の場合、管理規約に次のすべてを規定していることとします。
①管理規約の対象となる敷地、建物、附属施設、共用部分の範囲。

②区分所有者が管理費及び修繕積立金を納入しなければならないこと。

③修繕積立金の使途範囲としてアの項目が入っていること及びア~キ以外の項目が入っていないこと。
ア 一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕。
イ 不測の事故その他特別の事由により必要となる修繕。
ウ 建物の敷地等及び共用部分等の変更。
エ 劣化診断。
オ 長期修繕計画の作成及び見直し。
カ 建物の建替えに係る合意形成に必要となる事項の調査。
キ アからカに準ずる管理。

④修繕積立金は、管理費と区分して経理しなければならないこと。

⑤管理組合が管理する敷地、共用部分及び附属施設の修繕及び変更に関する業務が管理組合の業務とされていること。

⑥次のアからエのすべてが管理組合の集会の議決事項であること。
ア 収支決算
イ 収支予算
ウ 管理費、修繕積立金及び使用料の額並びに賦課徴収方法。
エ の項目に充てるための資金の借入れ及び修繕積立金の取崩し。

長期修繕計画(共同住宅の場合のみ適用)
長期修繕計画の計画期間を20年以上とします。

※1. 一戸建て等には、連続建て及び重ね建てを含みます。

※2. 住宅の規模とは、住宅部分の床面積をいい、車庫やバルコニー等は含みません。

※3. 木造の住宅とは、耐火構造の住宅及び準耐火構造(※4)の住宅以外の住宅をいいます。

※4. 準耐火構造には、省令準耐火構造を含みます。

技術基準を定めている理由は・・・?
公庫が定めている技術基準には、それぞれ必要とされる目的があります。その一部を紹介します。

※基礎の高さ
・土台などの木部への雨のはね返りの防止や、床下の点検のしやすさなどを考慮して、基礎の地面からその上端までの高さを40㎝以上としています。
※防腐・防蟻措置
・土台など、湿気のある場所の木部に防腐・防蟻措置を施しています。
・また、床下全面にコンクリートを打設することなどによりシロアリから住宅を守ります。

2.中古住宅の技術基準


基準項目と概要
接道
●一戸建て等(※1)と共同住宅(マンション等※2) 共通
原則として一般の道に2m以上の接道。

住宅の規模(※3)
一戸建て等(※1)の場合
70m²以上。

マンション(※2)の場合
30m²以上。

住宅の規格
●一戸建て等(※1)と共同住宅(マンション等※2) 共通
原則として2以上の居住室(家具等で仕切れる場合でも可)、炊事室、便所、浴室の設置。

併用住宅の床面積
●一戸建て等(※1)と共同住宅(マンション等※2) 共通
併用住宅の住宅部分の床面積は全体の2分の1以上。

戸建型式等
●一戸建て等(※1)と共同住宅(マンション等※2) 共通
木造の住宅(※4)は一戸建て又は連続建てに限る

住宅の耐久性
●一戸建て等(※1)と共同住宅(マンション等※2) 共通
耐火構造、準耐火構造(※5)または耐久性基準に適合

住宅の耐震性
●一戸建て等(※1)と共同住宅(マンション等※2) 共通
建築確認日が昭和56年5月31日以前の場合(※6)は、耐震評価基準(※7)などに適合。

劣化状況
●一戸建て等(※1)と共同住宅(マンション等※2) 共通
外壁、基礎、屋内に面する壁などにひび割れ、欠損などがないこと。
給排水設備に漏水がないことなど 。

維持管理基準管理規約
マンション(※2)の場合
管理規約に所定の事項が定められていること。

維持管理基準長期修繕計画
マンション(※2)の場合
計画期間20年以上。(作成時期が平成6年度以前の場合は15年以上)

1. 一戸建て等には、連続建て、重ね建て及び地上2階以下の共同住宅を含みます。

2. マンションとは、地上3階以上の共同住宅をいいます。

3. 住宅の規模とは、住宅部分の床面積をいい、車庫やバルコニー等は含みません。

4. 木造の住宅とは、耐火構造の住宅及び準耐火構造(※5)の住宅以外の住宅をいいます。

5. 準耐火構造には、省令準耐火構造を含みます。

6. 建築確認日が確認できない場合は、新築年月日(表示登記における新築時期)が昭和58年3月31日以前の場合とします。

7. 耐震評価基準の概要は以下のとおりです。

耐震評価基準の概要
共同住宅以外(一戸建て・連続建て・重ね建て住宅)の場合(在来木造工法の場合)
(1) 基礎は一体のコンクリート造の布基礎等であること。

(2) 以下の項目の評点を相乗した値(ア×イ×ウ×エ)が1以上であること。
ア 建物の形(整形、不整形の評価)

イ 壁の配置(壁のバランスの評価)

ウ 筋かい等の有無(壁の強度の評価)

エ 壁の割合(必要壁量に対する充足率の評価)

共同住宅の場合
(1) 構造形式がラーメン構造と壁式構造の混用となっていないこと。

(2) 平面形状が著しく不整形でないこと。

(3) セットバックが大きくないこと。

(4) ピロティ部分が偏在していないこと。
※ピロティ=建物の一階を柱だけ残し、吹き放しとする建築様式。

3.優良住宅取得支援制度の対象となる住宅の技術基準


優良住宅取得支援制度の対象となる住宅の基準は次のとおりです。

住宅の基準
優良住宅取得支援制度の対象となる住宅の基準は、フラット35の技術基準に加えて、次のいずれかの基準に適合していることが必要です。
性能項目
新築住宅・中古住宅の場合
①省エネルギー性能
性能表示基準の省エネルギー対策等級4に適合。
②耐震性能
性能表示基準の耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上に適合。
③バリアフリー性能
性能表示基準の高齢者等配慮対策等級3以上に適合(共同住宅については、共用部分を含む)。
※中古住宅については、省エネルギー性能の基準は対象になりません。
※住宅の性能レベルは、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づく住宅性能表示制度における性能等級と同じです。

基準の概要(一戸建ての例)
【1】省エネルギー性能:省エネルギー対策等級4
居住空間を断熱材及び高性能の気密材で包み込むことにより、従来より高い水準の断熱性・気密性を実現した住宅。

東京都(IV地域)、充填断熱工法の木造住宅の場合)
①断熱材(断熱材の厚さ(例)は、天井160mm、外壁90mm、床90mm(高性能グラスウール16K相当の断熱材の場合))。
②高い水準の気密性を確保。
③通気層を設置。
④複層ガラス・二重サッシ等を使用。

【2】耐震性能:耐震等級2(構造躯体の倒壊等防止)
数百年に一度発生する地震(震度6強から震度7程度)の1.25倍の地震力に対して倒壊、崩壊等しない程度の性能が確保された住宅。

①壁量の確保。
②壁の配置のバランスを確保。
③筋かい・柱・胴差や床・屋根の接合部を強化。
④基礎を強化。
⑤横架材の間隔・長さに応じて必要な断面寸法を確保。

【3】バリアフリー性能:高齢者等配慮対策等級3
介助用車いすの使用者が、排泄、入浴、就寝、移動等の基本的な生活行為を行えるようにするための基本的な措置が確保された住宅。
①高齢者等の寝室のある階に便所を配置。
②床は段差のない構造。
③安全に配慮した階段勾配。
④階段、便所、浴室、玄関、脱衣室に原則として手すり設置。
⑤介助用車いすで通行可能な通路幅員(78㎝)、出入口幅員(75㎝(浴室の出入口は60㎝))を確保。
⑥寝室、便所、浴室の広さ確保。

4.物件検査の流れ


物件検査とは、公庫が定める独自の技術基準に適合する住宅であることを、検査機関または公庫住宅調査技術者(中古住宅のみ)が確認するものです。

物件検査に合格すると、融資のご契約に必要となる適合証明書が交付されます。
※新築住宅の場合、物件検査に併せて建築基準法に基づく検査済証が交付されていることを確認します。

例えば、一戸建ての新築住宅の場合、物件検査は以下の順番で行なわれます。
設計検査
申請された工事内容について設計図面(平面図・立面図・仕様書など)により、技術基準に適合していることを検査します。

中間現場検査
屋根工事が終了した時点で、申請された工事内容が技術基準に適合していることを現場において検査します。

竣工現場検査・適合証明書発行
全ての工事が終了した時点で、申請された工事内容が技術基準に適合していることを現場において検査します。

中古住宅の場合
物件調査
対象住宅について、技術基準に適合していることを、調査書類および現地において調査します。

・中古住宅の場合、適合証明書の有効期間は現地調査実施日から6ヵ月となりますので、有効期間内にお申込みください。

・中古住宅の適合証明を申請されるときの注意事項
中古住宅の適合証明書は、公庫融資(リ・ユース住宅)の適合証明書と共通の書式ですので、適合証明を申請されるときには、フラット35のみの適合証明を希望されるのか、フラット35と公庫融資両方の適合証明を希望されるのかを、申請書にご記入ください。(フラット35の技術基準は公庫融資の技術基準と異なるため、公庫融資のみの技術基準について確認された適合証明書は、フラット35にご利用いただくことはできませんので、ご注意ください。)
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